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【二次関数】\(4x+2y^2\) の最大値と最小値

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統計学を約10年間勉強してきました。
現在は、統計スキルを自身のキャリアに活用してきた方法をブログで発信しています。

  • 大学の研究テーマ「主成分分析を使った正しい評価方法」

  • 大学院の研究テーマ「階層的区間クラスタリング」

  • 統計検定2級所持

  • Kaggleのコンペに参加

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目次

\(y=\) (ある文字だけの式)という形を作れ

今回はグラフの最大と最小を求める問題です。

\(2\) 次関数という言葉がタイトルに含まれているため、 \(y=x^2+3x+2\) のように右辺が \(2\) 次式になっているグラフを想定してもらって構いません。
例えば上記のグラフであれば、 \(x^2\) の係数が \(1\) ですので、上に開いたグラフとなります。よって、最小値はグラフの頂点となりますが、最大値は変域がないと求められませんね。

<\(y=x^2+3x+2\) のグラフ>

変域によって範囲が区切られていれば、その中での最大と最小がわかるため、「最大値と最小値を求めなさい。」と言われたら、以下の \(2\) つが必要になるのです。

・ \(y=\) (ある文字だけの式)
・グラフの変域

例えば、\(y=x^2+3x+2\) と( \(-6 \leq x \leq 0\))のような感じです。

これを頭に置きながら、以下の問題を見ていきましょう。

最大値と最小値(問題)

実数 \(x\) 、 \(y\) が \(x^2+y^2=4\) を満たしているとき、 \(4x+2y^2\) の最大値、最小値を求めなさい。また、そのときの \(x\) 、 \(y\) の値を求めなさい。

最大値と最小値(答案の例)

\(x^2+y^2=4\) から、 \(y^2=4-x^2\) となる。

\(y^2 \geq 0\) により、 \(4-x^2 \geq 0 \longrightarrow -2 \leq x \leq 2\)

また、 \(y^2=4-x^2\) により、

 \(4x+2y^2\)
 \(=4x+2(4-x^2)\)
 \(=4x+8-2x^2\)

ここで、 \(z=-2x^2+4x+8\) とすると、

 \(z=-2(x^2-2x)+8\)
 \(=-2(x-1)^2+10\)

により、グラフの頂点は( \(1\) 、 \(10\) )。

また、\(-2 \leq x \leq 2\) により、グラフは以下のような概形となる。

<\(z=-2x^2+4x+8\) の\(-2 \leq x \leq 2\) での最大と最小>

最小値は、 \(x=-2\) における \(z\) の値なので、

 \(z=-2(-2)^2+4 \times -2+8\)
 \(=-8\)

また、最小値をとるときの \(y\) の値は、\(y^2=4-x^2\) により、

 \(y^2=4-(-2)^2\)
 \(=0\)

つまり、 \(y=0\)。同様に、最大値の \(y\) の値は、 \(y=\pm \sqrt{3}\)。

したがって、

 \(x=1\)、 \(y=\pm \sqrt{3}\) のとき、最大値\(10\)
 \(x=-2\)、 \(y=0\) のとき、最小値\(-8\)

をとる。

最大値と最小値(解説)

まず、多くのことが複雑に起こっているので、状況を整理しましょう。

冒頭で、最大・最小を求める際に必要なものは \(2\) つあるという話をしたと思います。
まずはそれらを作っていきましょう。

ひとまず、変域から探っていきます。

変域は、必ず不等式の形になっていますね。
しかし、現在問題文には不等式がありません。

ないのであれば、作ればいいのです。

でも、どうやって??

こういう場合、疑うべきは \(2\) 乗の存在です。
\(2\) 乗すると、どんな数でも \(0\) 以上の数になることは、中学校で学んでいます。

<正の数を \(2\) 乗する場合>
 \(3^2=9\)、 \(5^2=25 \longrightarrow\)正の数

<負の数を \(2\) 乗する場合>
 \((-3)^2=9\)、 \((-5)^2=25 \longrightarrow \)正の数

<\(0\) を \(2\) 乗する場合>
 \(0^2=0\)

よって、問題で登場している \(x^2\) や \(y^2\) は \(0\) 以上の数であることはわかっているわけですね。

しかし今、問題では「\(x^2+y^2\)」となっています。
「片方ずつについては \(0\) 以上の数だけど、足されてるとなぁ・・・」

簡単です。
「\(x^2+y^2=4\)」という方程式に形になっていますので、片方を右辺に移項してしまいましょう。

今回は、 \(x^2\) を移項し、

 \(y^2=4-x^2\)

とします。ここで左辺を見れば、 \(y^2\) だけになりましたので、これは \(0\) 以上の数、つまり、

 \(y^2 \geq 0\)

という不等式を導けるわけです。このようにして、不等号を生み出すのです。そして、\(y^2\)と\(4-x^2\)はイコール(同じ値)ですので、もちろん

 \(4-x^2 \geq 0\)

とも言えるわけですね。これを変形し、

 \(4-x^2 \geq 0\)
 \(x^2-4 \leq 0\)
 \((x-2)(x+2) \leq 0\)
 \(-2 \leq x \leq 2\)

という変域を作ることができます。次に、肝心のグラフを作っていきます。\(4x+2y^2\) の最大と最小を求めるため、このグラフを書けばいいわけですが、今までのグラフを思い浮かべていただけるとわかる通り、

 \(y=x^2+x-2\)
 \(y=x^2+5x-3\)

などのように、

 ① 等式になっている(イコールが含まれている)
 ② 等式の右辺は、文字が \(1\) 種類しか存在していない(今回の例ならば \(x\) )

という特徴をもっています。まず、①について考えていきます。グラフの式がなぜ等式になっているかというと、 \(2\) つの文字の関係性を絵的にわかりやすく表現したいからです。例えば、 \(y=x^2+x-2\) で言えば、仮に \(y=\) の部分がなかったとしましょう。すると、\(x^2+x-2\) となりますね。これだけではグラフを書くことはできませんよね。

ここで、

 \(x=1\) のときは、 \(0\)
 \(x=2\) のときは、\(4\)

のように、 \(x\) の値によって、\(x^2+x-2\) の式の値が出てきます。
この \(0\) 、 \(4\) のような値を座標として平面にとるために、

 \(x=1\) のときは、 \(0 \longrightarrow\) ( \(1,0\))
 \(x=2\) のときは、 \(4 \longrightarrow\) ( \(2,4\))

としたかったのです。そこで、 \(x\) の値によって出てきた \(0\) や \(4\) などの値の総称として、仮に \(y\) という文字を使って表現し、

 \(x=1\) のときは、 \(y=0\)
 \(x=2\) のときは、 \(y=4\)

のようにしました。そうすることで、 \(x\) 座標と \(y\) 座標が生まれ、座標を座標平面にとれるわけです。つまり、今まで \(y=\) という始まりだった式は、\(x\) の値によって出てきた値の総称を仮に \(y\) という文字で表現していたにすぎないので、本来は \(y\) でなくても、他の文字でも全然いいのです。
(みなさんは式と言えば \(y=\) ~というもの、グラフと言えば \(x\) 軸と \(y\) 軸である、という意識が固定化されていると思うので、少し難しく感じてしまうのもわかります。)

例えば、 \(z=x^2+x-2\) 、 \(a=x^2+x-2\) だっていいわけです。その場合は、以下のような座標空間になります。
(縦軸が \(y\) じゃないと、やはり見慣れないですね。)

文字はあくまでもそこにある数を代入しますよ、ということを表すものなので、ちなみに横軸に使われている \(x\) も、本来は別の文字でも良かったりします。

さて、話を元に戻しましょう。

イコールになっていない状態の\(4x+2y^2\) を見た時、仮にこの \(x\) と \(y\) に何か数を代入して出てきた値の総称を \(z\) として、式を作って見ると、

 \(z=4x+2y^2\)

となります。しかしこれでは、文字が \(3\) 種類含まれているため、上のような座標平面で表現できません。ここで、右辺の文字を \(1\) 種類に統一する必要があるわけですが、その話が上記の②とつながってきます。\(1\) 種類のみで式を作るには、 \(x\) か \(y\) のどちらかを削る必要がありますが、ちょうどこの解説の前半で、

 \(y^2=4-x^2\)

という式が出てきていますね。これを使って \(y\) を消去するように式を変形すると、

 \(z=4x+2(4-x^2)\)
 \(z=-2x^2+4x+8\)

となりますね。よって、このグラフを書いて、上記で求めた\(-2 \leq x \leq 2\)という変域の中で、最大と最小を求めればいいというわけです。平方完成をして、グラフの頂点を求めてみると、

 \(z=-2(x^2-2x)+8\)
 \(=-2(x-1)^2+10\)

により、頂点は( \(1\) 、 \(10\) )だとわかります。変域を含んだ図は、答案の例に書いてあるような形になります。さて、ここでの最大と最小を求めるわけですが、最小値は \(x=-2\) の時の \(z\) の値、最大値は \(x=1\) のときの \(z\) の値となりますね。

つまり、

 \(z=-8\) が最小で、そのときの \(x\) は \(-2\) 、
 \(z=10\) が最大で、そのときの \(x\) は \(1\)

ということになります。しかし、 \(y\) の値がまだ求められていないため、\(y^2=4-x^2\) を使って、 \(y\) を求めていきます。

 \(x=-2\) のとき、 \(y=0\)
 \(x=1\) のとき、 \(y=\pm \sqrt{3}\)

となるわけですね。

この手の問題は、条件式をどう使うかが鍵です。
ぜひたくさんのパターンに触れながら、傾向を掴んでいきましょう。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログでは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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