確率と漸化式
さいころを複数回投げる時、\(1\) の目が \(2\) 回出る確率を求めたいとすると、
\(2\) 回投げる時に \(1\) の目が \(2\) 回出る確率 → \(p_2\) と表す。
\(5\) 回投げる時に \(1\) の目が \(2\) 回出る確率 → \(p_5\) と表す。
\(n\) 回投げる時に \(1\) の目が \(2\) 回出る確率 → \(p_n\) と表す。
「さいころを複数回投げる時」のように、果てしなく続く場合は、このように表すと便利です。
漸化式とは
今回の例なら、さいころを \(n\) 回投げて、\(1\) の目が \(2\) 回出る確率(値)を、\(p_n\)、さいころを \(n+1\) 回投げて、\(1\) の目が \(2\) 回出る確率(値)を、\(p_{n+1}\) とおくとき、
\(p_n\) と \(p_{n+1}\) の関係性を表すとそれが漸化式となる。
漸化式の全パターン

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漸化式の問題
さいころを \(n\) 回投げる時、\(1\) の目が偶数回出る確率を \(p_n\) とする。ただし、\(0\) は偶数と考える。このとき、\(p_n\) と \(p_{n+1}\) の間に成り立つ関係式を求めなさい。
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漸化式の問題(答案の例)
さいころを \((n+1)\) 回投げるとき、\(1\) の目が偶数回出る確率 \(p_{n+1}\) について \(p_{n+1}\) は、
[1] \(n\) 回目までに \(1\) の目が偶数回出て、\((n+1)\) 回目に \(1\) 以外の目が出る確率
[2] \(n\) 回目までに \(1\) の目が奇数回出て、\((n+1)\) 回目に \(1\) の目が出る確率
の和で求めることができます。
[1] の確率は、\(p_n\cdot \displaystyle\frac{5}{6}\) \(\cdots\) ①
[2] の確率は、\((1-p_n)\cdot \displaystyle\frac{1}{6}\) \(\cdots\) ②
①、② より
\(p_{n+1}=p_n\cdot \displaystyle\frac{5}{6}+(1-p_n)\cdot\displaystyle\frac{1}{6}\)
\(p_{n+1}=\displaystyle\frac{5}{6}p_n+\displaystyle\frac{1}{6}\)
漸化式の問題(解説)
\(p_n\) と \(p_{n+1}\) の関係を考える。
さいころを \((n+1)\) 回投げるとき、\(1\) の目が偶数回出る確率 \(p_{n+1}\) について \(p_{n+1}\) は、
[1] \(n\) 回目までに \(1\) の目が偶数回出て、\((n+1)\) 回目に \(1\) 以外の目が出る確率
[2] \(n\) 回目までに \(1\) の目が奇数回出て、\((n+1)\) 回目に \(1\) の目が出る確率
の和で求めることができます。

[1] の確率
\(n\) 回目までに \(1\) の目が偶数回出る確率は、\(p_n\)
\(n+1\) 回目に \(1\) 以外の目が出る確率は、\(\displaystyle\frac{5}{6}\)
よって、\(p_n\cdot \displaystyle\frac{5}{6}\) \(\cdots\) ①
[2] の確率
\(n\) 回目までに \(1\) の目が奇数回出る確率は、\(1-p_n\)
\(1\) の目が偶数回出る確率:\(p_n\)
\(1\) の目が奇数回出る確率:\(q_n\) とおくと
\(p_n+q_n=1\)
\(q_n=1-p_n\)
と表すことができる。\(n+1\) 回目に \(1\) の目が出る確率は、\(\displaystyle\frac{1}{6}\)
よって、\((1-p_n)\cdot \displaystyle\frac{1}{6}\) \(\cdots\) ②
①、② より
\(p_{n+1}=p_n\cdot \displaystyle\frac{5}{6}+(1-p_n)\cdot \displaystyle\frac{1}{6}\)
\(p_{n+1}=\displaystyle\frac{5}{6}p_n+\displaystyle\frac{1}{6}\)
おわりに
今回は、確率と漸化式が組み合わさった問題でした。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
- 大学受験数学で困っている方
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私自身、数学に関して順風満帆に理解できてきたわけではありませんでした。
周りを見渡せば数学の天才がゴロゴロいて、そんな人たちに比べれば私は足元にも及びませんでした。
だからこそ、わからない、理解できない方の気持ちを少しはわかってあげられると自負しております。
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