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【展開】『特殊な積の展開』例題と解説

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目次

特殊な積の展開

今回は積の展開です。単純な展開の問題なので、そのまま展開しても解くことはできるでしょう。
しかし学校の定期テストや入試等では当然時間制限があるため、解くのが面倒なだけの問題は、なるべく楽に素早く解きたいですよね。

そこでこの記事では、工夫して展開することで、計算過程を短くしてミスをなるべく減らしながら、素早く計算する方法の例を紹介したいと思います。

では、一緒に見ていきましょう。

展開の問題

次の積を展開しなさい。

(\(1\))\((x+1)(x+2)(x+3)(x+4)\)
(\(2\))\((x+2)(x+3)(x-1)(x-6)\)
(\(3\))\((x^2-1)(x^2-x+1)(x^2+x+1)\)

展開の問題(答案の例)

(\(1\)) \((x+1)(x+2)(x+3)(x+4)\)
    \(=(x^2+5x+4)(x^2+5x+6) \cdots \)①

    \(x^2+5x=A\)と置くと、

     \((A+4)(A+6)\)
    \(=A^2+10A+24\)
    \(=(x^2+5x)^2+10(x^2+5x)+24\)
    \(=x^4+10x^3+25x^2+10x^2+50x+24\)
    \(=x^4+10x^3+35x^2+50x+24\)

(\(2\)) \((x-1)(x+2)(x+3)(x-6)\)
    \(=(x^2+5x+6)(x^2-7x+6) \cdots \)①

    \(x^2+6=A\)と置くと、

     \((A+5x)(A-7x)\)
    \(=A^2-2Ax-35x^2\)
    \(=(x^2+6)^2-2x(x^2+6)-35x^2\)
    \(=x^4+12x^2+36-2x^3-12x-35x^2\)
    \(=x^4-2x^3-23x^2-12x+36\)

(\(3\)) \((x^2-1)(x^2-x+1)(x^2+x+1)\)

    \(x^2+1=A\)と置くと、

     \((x^2-1)(A-x)(A+x)\)
    \(=(x^2-1)(A^2-x^2)\)
    \(=(x^2-1){(x^2+1)^2-x^2}\)
    \(=(x^2-1)(x^4+2x^2+1-x^2)\)
    \(=(x^2-1)(x^4+x^2+1\)
    \(=x^6+x^4+x^2-x^4-x^2-1\)
    \(=x^6-1\)

~(\(3\))の別解~

\((x^2-1)=(x+1)(x-1)\)より、

    \((x^2-1)(x^2-x+1)(x^2+x+1)\)
   \(=(x+1)(x-1)(x^2-x+1)(x^2+x+1)\)
   \(=\bigl\{(x+1)(x^2-x+1)\bigr\} \bigl\{(x-1)(x^2+x+1)\bigr\}\)
   \(=(x^3+1)(x^3-1)\)
   \(=x^6-1\)

展開の問題(解説)

(\(1\))

基本的に最初から展開していけば正答できるのですが、そうすると先述した通り計算が大変で、ミスが増えてしまう可能性があります。

<( \(1\) )を解く際のポイント>
\(x\) の係数を揃えるように \(1\) 回目の展開を行う。

\(x+1\) と \(x+4\) の展開では、 \(x^2+5x+4\) となり、\(x+2\) と \(x+3\) の展開では、 \(x^2+5x+6\) となります。
これにより、\(x^2+5x\) までの項が等しくなりますね。

こうなると、\(x^2+5x\) を何らかの他の文字で置いて(例えば今回は \(A\) とする。)計算すれば、
 \((A+4)(A+6)\)
となり、公式が使える展開となります。

項が \(3\) つ以上ある場合、展開が難しくなるため、なるべく \(2\) 項の展開にできるといいですよね。

さて、続きの展開を行うと、
 \((A+4)(A+6)\)
\(=A^2+10A+24\)
というところまでできます。

ここで \(A\) を戻すと、
 \((x^2+5x)^2+10(x^2+5x)+24\)
となり、再び \(2\) 項の展開公式が使える形になっていますね。

なるべく少ない項での展開を心掛け、楽な計算でミスをなくそう!

あとは展開して同類項を整理すれば答えとなります。
(最大次数が \(4\) になってしまって、もともと少し大変な展開ではありますが、だからこそなるべく計算量は減らしましょう。)

 \((x^2+5x)^2+10(x^2+5x)+24\)
\(=x^4+10x^3+25x^2+10x^2+50x+24\)
\(=x^4+10x^3+35x^2+50x+24\)

(\(2\))

ポイントは先程の( \(1\) )と同じで、なるべく少ない項での展開を行うために、文字で置ける部分を作るということです。

しかし今回は、どう組み合わせても \(x\) の係数が等しくなりません。

ですが、別に \(x\) の係数に捕らわれる必要はありません。
( \(1\))で \(x^2+5x\) を作り出したときの思考の構造は、 \(2\) 以上の項を等しくしたかった、ということです。
(そうすることで、\((A+4)(A+6)\) となり、 \(2\) 項の展開にすることができましたね。)

つまり、 \(x\) の係数ではなく、定数項で揃えても、結果的に同じことができるのです。

今回は、 \((x+2)(x+3)\) と \((x-1)(x-6)\) を組み合わせれば、
  \((x+2)(x+3)=x^2+5x+6\)
 \((x-1)(x-6)=x^2-7x+6\)
となり、\(x^2\) と \(+6\) が揃います。よって、この \(2\) 項を \(A\) などと置き、展開していきます。

つまり、 \((A+5x)(A-7x)\) を展開していけば、( \(1\) )と同様の計算過程で正答が導けるわけです。

  \((A+5x)(A-7x)\)
 \(=A^2-2Ax-35x^2\)
 \(=(x^2+6)^2-2x(x^2+6)-35x^2\)
 \(=x^4+12x^2+36-2x^3-12x-35x^2\)
 \(=x^4-2x^3-23x^2-12x+36\)

(\(3\))

この問題では、後半のかっこ内ですでに \(x^2+1\) が共通していますので、 \(A\) と置いて計算しているやり方が最初の解き方です。

この解き方では、最後の方に \(2\) 項と \(3\) 項の展開の積が残ってしまいますが、何も考えずにそのまま展開すると、 \(5\) 項の多項式が展開に含まれるので、計算量はかなり削減できていると言えます。

別解の方はかなりトリッキーなやり方です。

最初の \((x^2-1)\) を因数分解して、後半の多項式と見比べてみるという方法ですね。
これに気付くにはかなりハイレベルな閃きが必要になりますが、こうすることで、項の順番を入れ替えて見てみると、
 \(\bigl\{(x+1)(x^2-x+1)\bigr\} \bigl\{(x-1)(x^2+x+1)\bigr\}\)
となります。

これは、前半と後半がそれぞれ \(x^3+1\) と \(x^3-1\) を因数分解した形になっていますね。

あとは、
 \((x^3+1)(x^3-1)\)
\(=x^6-1\)
のように最後まで展開していけるわけです。

他にも解き方はありますが、基本的な考え方はすべて「計算を楽にするために項の数を減らしながら展開する」というものです。

数学の参考書や問題集で解説を見ると、似たような問題でも様々な模範解答や解くときのポイントが書いてあり、それぞれ違った解き方を覚えないといけないと思いがちです。

しかし、今回紹介した例のように、
( \(1\) )\(\longrightarrow\)   \(x\) の係数を揃えて文字で置く。
( \(2\) )\(\longrightarrow\)   定数項を揃えて文字で置く。
( \(3\) )\(\longrightarrow\)   すでに揃っている部分を文字で置く。
のように異なる作業をしていますが、これらのポイントはすべて、
 「なるべく多くの共通項を文字で置く」
という構造をもっています。

みなさんが他の数学の問題を解く際にも、 \(1\) つひとつの解き方を別々に覚えるのではなく、解き方の構造を掴み、より多くの問題を同じジャンルと捉えながら解き進めていくことをおススメします!

おわりに

さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!

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