判別式の仕組み
今回は、判別式の仕組みについて解説します。
ただ問題が解けるだけでなく、仕組みを理解した上で問題が解けるようになりましょう!
判別式を使用するタイミング
\(2\) 次方程式の解の個数は、\(0\) 個, \(1\) 個, \(2\) 個のどれかになります。
\((x-1)(x-2)=0\) の場合、解は \(2\) 個
\((x-1)^2=0\) の場合、解は \(1\) 個
解の個数は判別式を用いずに求めることは出来ます。
【判別式を使わなくても解ける例題①】
問題)\(x^2+3x+2=0\) の解の個数を求めなさい。
解答)\((x+2)(x+1)=0\)
\(x=-1\), \(x=-2\)
よって、\(2\) 個となる。
このように、因数分解すれば簡単に求められます。
しかし、次の例題はどうでしょう?
【判別式を使わないと解けない例題②】
問題)\(x^2+ax+1=0\) が解を持たない時の \(a\) の値の範囲を求めよ。
このような問題の時は、例題①のようにはいきません。
こういった問題の時に判別式を用いると簡単に求められます。
>>詳細はこちらから
判別式
判別式
\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の判別式を \(D\) とすると、
\(D=b^2-4ac\geq 0\) ⇨ 実数解は \(2\) コ
\(D=b^2-4a=0\) ⇨ 実数解は \(1\) コ
\(D=b^2-4ac\leq 0\) ⇨ 実数解は \(0\) コ
判別式の導出
判別式は、二次方程式の解の公式から導かれます。
解の公式
\(ax^2+bx+c=0\) の解は、
\(x=\displaystyle\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)
根号の中 \((b^2-4ac)\) に注目する。
① \(b^2-4ac> 0\) のとき
\(x=\displaystyle\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\), \(x=\displaystyle\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)
となり解は \(2\) コとなる。
② \(b^2-4ac=0\) のとき
\(x=\displaystyle\frac{-b\pm\sqrt{0}}{2a}\)
\(x=\displaystyle\frac{-b}{2a}\)
となり解は \(1\) コとなる。
③ \(b^2-4ac<0\) のとき
\(x=\displaystyle\frac{-b\pm\sqrt{マイナス}}{2a}\)
根号の中が負となる解は存在しない。
例)\(\sqrt{-3}\) → \(2\) 乗して \(-3\) となるような数字は存在しない。
よって、解は \(0\) コ
判別式の例題
例題①
\(x^2+3x+2=0\) の解の個数を求めなさい。
解説
\(D=b^2-4ac=9-8=1> 0\)
\(D>0\) となるので、解は \(2\) コとわかる。
例題②
\(x^2+ax+1=0\) が解を持たない時の \(a\) の値の範囲を求めよ。
解説
「解を持たない。」つまり、「解が \(0\) 個」より、判別式は \(D<0\) となる。
\(D=a^2-4=(a+2)(a-2)<0\) → \(-2<a<2\)
おわりに
今回は、判別式の仕組みについて解説しました。
仕組みを覚えておくと、応用問題にも対応できるし複雑な公式でも暗記しやすくなると思います。
しっかりと仕組みを理解しましょう。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
【最新】こちらの記事がおすすめ!