目次
二次関数の係数の符号を判定
今回は二次関数の係数の符号によって、グラフがどのように変化するのかを考えていきます。では早速まとめていきます。
二次関数は一般的に次の形で表されます。
$$f(x)=ax^2+bx+c$$
ここで、\(a, b, c\) は実数の係数です。それぞれの係数の符号によって二次関数のグラフの形がどのように変わるかを見ていきましょう。
\(a\) の符号
• \(a>0\) の場合:放物線は上に開きます。これは、関数の最小値を持つことを意味します。
• \(a<0\) の場合:放物線は下に開きます。これは、関数の最大値を持つことを意味します。
\(b\) の符号
\(b\) の符号は、放物線の軸の位置に影響します。具体的には、軸(頂点の \(x\) 座標)は次の式で求められます。
$$x = -\frac{b}{2a}$$
• \(b>0\) の場合:軸は左にシフトします。
• \(b<0\) の場合:軸は右にシフトします。
\(c\) の符号
\(c\) は定数項であり、グラフの \(y\) 軸との交点を示します。
• \(c>0\) の場合:グラフは \(y\) 軸の正の側で交わります。
• \(c<0\) の場合:グラフは \(y\) 軸の負の側で交わります。
二次関数の係数の符号によるグラフの形
二次関数のグラフは放物線の形をしており、その開き方や位置は上記の係数の符号によって決まります。
例1) \(f(x)=x^2-4x+3\) について
\(a=1\)(正)→ 放物線は上に開く
\(b=-4\)(負)→ 軸は右にシフト
\(c=3\)(正)→ y軸の正の側で交わる
例2) \(f(x)=-2x^2+6x-1\) について
\(a=-2\)(負)→ 放物線は下に開く
\(b=6\)(正)→ 軸は左にシフト
\(c=-1\)(負)→ \(y\) 軸の負の側で交わる
これが二次関数の係数の符号がグラフにどのように影響するかの基本的な説明です。
二次関数の係数の符号(問題)
\(2\) 次関数 \(y=ax^2+bx+c\) のグラフが下の図のようになるとき、次の値の符号を調べよ。
(1) \(a\)
(2) \(b\)
(3) \(c\)
(4) \(b^2-4ac\)
(5) \(a+b+c\)
(6) \(a-b+c\)
解説
(1) \(a\)
グラフは上に凸であるから \(a<0\)
(2) \(b\)
\(y=ax^2+bx+c\) の軸は、
\(y=a\big(x^2+\displaystyle\frac{b}{a}x\big)+c\)
\(=a\big(x+\displaystyle\frac{b}{2a}\big)^2-\frac{b^2}{4a}+c\)
\(=a\big(x+\displaystyle\frac{b}{2a}\big)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}\)
よって、軸は \(x=-\displaystyle\frac{b}{2a}\) となる。
今回のグラフの軸は正なので \(-\displaystyle\frac{b}{2a}>0\) となり、\(b>0\)
(3) \(c\)
\(y=f(x)\) とおくと、\(f(0)<0\) より \(c<0\)
(4) \(b^2-4ac\)
異なる \(2\) 点で交わるので、\(b^2-4ac>0\)
(5) \(a+b+c\)
\(x=1\) のとき \(y=a+b+c\)
よって \(a+b+c>0\)
(6) \(a-b+c\)
\(x=-1\) のとき \(y=a-b+c\)
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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