文字列の場合の数
今回は、文字列を題材にした組合せの問題です。
組合せの問題の中で、\(YOKOHAMA\), \(TOUHOKU\) のように文字列の並び方を題材にしたものは頻出となっています。
今回は、\(YOKOHAMA\) という文字列を扱いますが、\(O\) や \(A\) が複数個ありますね。そこをどう処理していくかがポイントになります。
順列と組合せの違いを明確化できていないと、応用問題に対応することが少し難しくなります。不安な方はまずこちらをチェックしてみてください。
順列と組合せの違い
文字列の場合の数(問題)
\(YOKOHAMA\) の \(8\) 文字を横 \(1\) 列に並べて順列を作るとき、次の数を求めよ。
(1) 順列の総数
(2) \(AA\) と \(OO\) という並びをともに含む順列の数
(3) \(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) がこの順に並ぶ順列の数
文字列の場合の数(答案の例)
(1) 順列の総数
\(\displaystyle\frac{8!}{2!2!}=\frac{40320}{4}=10080\)
(別解)
\({}_8C_2\times {}_6C_2\times 4!=10080\)
(2) \(AA\) と \(OO\) という並びをともに含む順列の数
\(6!=6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1=720\)
(3) \(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) がこの順に並ぶ順列の数
\({}_8C_4\times {}_4C_2\times {}_2C_2=420\)
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文字列の場合の数(解説)
(1) 「順列の総数」
まず、全て違う文字だとして考えてみると、
\(Y\), \(K\), \(H\), \(M\), \(O_1\), \(O_2\), \(A_1\), \(A_2\)
となりますね。
\(8\) 個の文字の順列なので、\(8!=8\times 7\times 6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1=40320\)
となりますが、実際は \(O_1\) と \(O_2\), \(A_1\) と \(A_2\) は同じ文字なので区別するのはおかしいのです。
例えば、
\(Y\), \(O_2\), \(K\), \(O_1\), \(H\), \(A_1\), \(M\), \(A_2\)
と
\(Y\), \(O_1\), \(K\), \(O_2\), \(H\), \(A_1\), \(M\), \(A_2\)
のように、\(O_1\) と \(O_2\) の位置を逆にしてみても、\(2\) つは同じ \(YOKOHAMA\) ですよね。
よって、この区別して数えている分を削り、\(\displaystyle\frac{8!}{2!}=\frac{40320}{2}=20160\) となります。
また、 \(A_1\), \(A_2\) にも同様のことが言えるので、\(\displaystyle\frac{8!}{2!2!}=\frac{{}_8P_2}{2!2!}=\frac{40320}{4}=10080\) となるのです。
(別解)
\({}_8C_2\times {}_6C_2\times 4!=10080\)
上記のように、\(O\) \(2\) つと\(A\) \(2\) つは組み合わせで計算し、残りの \(4\) つは順列で計算するという方法でも求めることができます。
理解しやすい方で解きましょう。
(2) 「\(AA\) と \(OO\) という並びをともに含む順列の数」
\(AA\) をまとめて \(A’\), \(OO\) をまとめて \(O’\) で表すと、
となりますね。まず、\(A’\), \(O’\), \(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) の並び方を求めてみると、
\(6!=6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1=720\)
となります。
本来であれば、このあと隣り合った \(A\) と \(A\) 、 \(O\) と \(O\) の入れ替えを考えるのですが、今回はお分かりの通り、入れ替えても \(AA\) と \(OO\) になりますね。よって、別パターンとして入れ替えの場合を考える必要がないため、\(720\) がそのまま答えとなります。
(3) 「\(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) がこの順に並ぶ順列の数」
この問題を解くポイントは、\(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) が入るべきところをいったん空白にして考えるということです。
今回は、\(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) を \(X\) という仮の文字で置いてみます。そうすると、以下の図にようなイメージになります。
つまり、 \(X\) \(4\) 個、 \(O\) \(2\) 個、 \(A\) \(2\) 個を先に並べ、並べ終わった後で \(X\) の部分に左から \(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) を当てはめていくのです。
よって、\(X\) \(4\) 個に \(O\) \(2\) 個, \(A\) \(2\) 個の並び方の総数を計算すれば良いので、
\({}_8C_4\times {}_4C_2\times {}_2C_2=420\)
となります。
勝手に自分でアルファベットを決めてしまって大丈夫なの?と思う方もいるかもしれません。
今回はそれで大丈夫なのです。
なぜなら、問題文ですでに順番が指定されているアルファベットたちですので、それぞれの \(X\) には \(Y\), \(K\), \(H\), \(M\) の順番でしか入れようがないからです。
問題によってさまざまですが、確率の問題は必ず何かしらの確定情報が与えられています。
たとえば、両端が \(Y\) と \(K\)になっている、 \(O\) と \(O\) は隣り合っているなどです。
まずは問題文の言われたとおりにアルファベットを扱い、その状態を崩さないためにはどう計算すればいいかを考えましょう。
おわりに
今回は、文字列を題材にした組合せの問題でした。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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