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【整数の性質】『剰余類』余りに関する証明

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目次

剰余類に関する問題

今回は剰余類に関する問題です!

余りに関する問題は他の記事でも書いていますが、今回は特定の余りにはならないというタイプの証明になっています。「割り算」「余り」というキーワードが見えたら以下の法則を使いましょう。

 \(A=BQ+R\)
 (割られる数) \(=\) (割る数) \(\times\) (商) \(+\) (余り)

具体的な問題で見ていきましょう。

剰余類の問題

\(n\) を整数とする。このとき、 \(n^2\) を \(3\) で割ると、余りは \(2\) にはならないことを証明しなさい。

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答案の例

\(n=3k\) のとき、

 \(n^2=9k^2\)

   \(=3 \cdot 3k^2\)

よって、 \(n^2\) は \(3\) で割り切れる。

\(n=3k+1\) のとき、

 \(n^2=9k^2+6k+1\)

   \(=3(3k^2+2k)+1\)

よって、 \(n^2\) は \(3\) で割ると \(1\) 余る。

\(n=3k+2\) のとき、

 \(n^2=9k^2+12k+4\)

   \(=3(3k^2+4k+1)+1\)

よって、 \(n^2\) は \(3\) で割ると \(1\) 余る。

つまり、 \(n^2\) を \(3\) で割った時の余りは \(2\) にはならない。

解説

この問題では、整数全体の表し方を工夫する必要があります。

まず最初になぜ \(n=3k\) 、\(n=3k+1\)、 \(n=3k+2\) の \(3\) つで場合分けをして考えたかを解説していきます。

余りを工夫して整数全体を表すために、例えば以下のように整数を並べてみます。

 \(1\) 、 \(2\) 、 \(3\) 、 \(4\) 、 \(5\)

 \(6\) 、 \(7\) 、 \(8\) 、 \(9\) 、 \(10\)

 \(11\) 、 \(12\) 、 \(13\) 、 \(14\) 、 \(15\) 、 \(\cdots\)

これは、正の整数を \(5\) 刻みで並べています。同時にこの並びは、縦に見ると、 \(5\) で割った時の余りが等しくなるような並びでもあります

一番左の列は \(5\) で割ると \(1\) 余る数の列、左から二番目の列は \(5\) で割ると \(2\) 余る数の列などです。

よってこの並びで言えば、それぞれの縦列は以下のような特徴をもっていることになります。

 一番左の列     \(\cdots\)  \(5\) で割ると \(1\) 余る

左から二番目の列  \(\cdots\)  \(5\) で割ると \(2\) 余る

真ん中の列     \(\cdots\)  \(5\) で割ると \(3\) 余る

右から二番目の列  \(\cdots\)  \(5\) で割ると \(4\) 余る

一番右の列     \(\cdots\)  \(5\) で割ると余りがない(割り切れる)

ここで注目してほしいのは、 \(5\) 刻みで数を並べると、 \(5\) で割った時の余りのパターンで整数全体を表すことができるという点です。

これは、数の並べ方を変えると、 \(5\) 以外で割った時の余りでも整数全体を表すことができることになります。

例えば、今回の問題で活用しようとした場合、以下のような並びとなります。

 \(1\) 、 \(2\) 、 \(3\)

 \(4\) 、 \(5\) 、 \(6\)

 \(7\) 、 \(8\) 、 \(9\) 、 \(\cdots\)

これは、正の整数を \(3\) 刻みで並べているため、\(3\) で割った時の余りのパターンで整数全体を表すことができます。

なぜ \(3\) 刻みで並べることが今回の問題に適しているかですが、ある式について \(3\) で割った時の余りについて聞かれているため、 \(3\) を基準にした方が都合が良かったからです。

数学において、都合がいいように数や文字を扱うことが多々ありますが、この考えは、正しい過程で考えるというより、間違った過程で考えないという感覚に従っていると言えます。

どちらも同じことを言っているのですが、正しく考えようとすると、答えや過程が一つであるように感じてしまいます。

しかし実際は、間違った方法で考えなければいいので、その方法は一つに限定されることはなく、あとは複数の選択肢の中から最も都合のいい方法を選んで使用すればいいのです。

数学と向き合うときは、正答を導くことよりも、間違った過程で理論を展開しないことに重きを置いた方がいいかもしれませんね。

今回は、 \(n\) を整数としているため、 \(n\) は \(3\) で割った時の余りのパターンで場合分けをして、

 \(n=3k\)

\(n=3k+1\)

\(n=3k+2\)

の \(3\) つに分類されます。( \(k\) は、商を表す整数とします。)

以下、この \(3\) つで \(n^2\) を計算し、余りについて見ていきます。

① \(n=3k\) のとき、 \(n^2\) は以下のように計算できます。

 \(n^2=9k^2\)

   \(=3 \cdot 3k^2\)

なぜ \(3\) だけを取り出したかですが、\(3\) で割った時の余りが \(2\) ではないことを証明したいので、「 \(3 \times\)(整数)」か「 \(3 \times\)(整数)\(+1\)」になることを示せればよいという理由からです。

今回は見ての通り、「 \(3 \times\)(整数)」の形になっていますね。( \(k\) が商を表す整数なので、 \(3k^2\) も整数になります。)

これにより、余りは \(2\) ではないことがわかります。

② \(n=3k+1\) のとき、 \(n^2\) は以下のように計算できます。

 \(n^2=9k^2+6k+1\)

   \(=3(3k^2+2k)+1\)

後ろの \(+1\) だけは \(3\) ではくくれないため、そのままにしておきます。これにより、「 \(3 \times\)(整数)\(+1\)」の形になっているので、余りは \(2\) ではないことがわかりますね。

③ \(n=3k+2\) のとき、 \(n^2\) は以下のように計算できます。

 \(n^2=9k^2+12k+4\)

   \(=9k^2+12k\)\(+3+1\)

   \(=3(3k^2+4k+1)+1\)

後ろの \(+4\) は、 \(3\) と \(1\) に分解すれば、 \(3\) についてはくくることができるため、②と同様、「 \(3 \times\)(整数)\(+1\)」の形になりますね。よって、余りは \(2\) ではないことがわかります。

つまり情報を整理すると、①から③までのすべての整数のパターンで余りが \(2\) にはならなかったため、これで証明が終了となります。

おわりに

さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!

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