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【トロッコ問題】『答えのないジレンマ問題』概要と類似問題の紹介

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トロッコ問題は倫理を扱う思考実験の一つです。

1967年に哲学の論文で発表されてからというもの、50年以上にわたり人々の間で語り継がれてきました。また近年ではAIや自動運転の話題でも登場しています。
本記事ではトロッコ問題の概要とともに、トロッコ問題が長年人々を惹きつけてきた理由や「こういう時どうする?」という少し状況を変えたトロッコ問題の話もしていきたいと思います。

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目次

トロッコ問題の類似問題

はじめにトロッコ問題と呼ばれる思考実験のストーリーについて説明します。いくつかバリエーションがありますが、ここでは一般的なトロッコ問題の設定を取り上げます。

トロッコ問題の概要

暴走したトロッコが線路の上を走っており、線路の先では6人の作業員が工事を行なっています。トロッコの進行方向には5人の作業員がいて、このままでは5人がひかれてしまうことに。あなたの近くには線路の進行方向を切り替えるレバーがあります。しかしレバーを切り替えると、その先の線路にいる1人の作業員をひいてしまいます。さて、あなたは次の二つから選択しなければなりません。

A:レバーを切り替えて、5人の作業員を救うが、1人が犠牲になる
B:何もせず、5人の作業員がひかれるが、1人は救われる

あなたはAとBどちらの選択肢を選ぶでしょうか。

以上がトロッコ問題のストーリーです。トロッコ問題は正解や不正解がない思考実験であり、問題を通して自分の考えをまとめ、新たな気付きを得ることにつながります。また他の人と議論を行なうことで、自分と異なる価値観に触れることもできるでしょう。

トロッコ問題は何を問うのか

トロッコ問題で論点となるのはおもに次の二つです。

① 1人の命と5人の命という命の数や重みを、どう判断するか。
② 自らレバーを引くという自発的な行動を起こすのか、それとも何もせず傍観者となるのか、どちらの立場を取るかです。

命の数だけで考えれば、数の多い5人の命のほうを選ぶ人が多いでしょう。しかし5人を救うためには自らレバーを引き、本来助かるはずであった1人の命を奪うという判断をしなければなりません。人の生死に影響するような行動を起こすことに抵抗が強ければ、レバーを引かずに傍観者となる判断になるでしょう。実際にトロッコ問題のような状況が起きたとき、レバーを引いてしまうと法的に罰せられたり、社会から糾弾されたりする可能性もあります。そのためレバーを引くという判断はより実行しづらくなるはず。しかし、自分が行動しなかったために犠牲がでてしまえば、大きな後悔が残るかもしれません。

トロッコ問題の答えが見つかる?

近年、こんな面白い回答がTwitterで話題となりました。

かなり機転の利いた面白い回答ですが、トロッコ問題は「どちらも助かればそれで良い」といった答えを求めるような問題ではなく、どちらかを助けばければいけない難しい状況において自分なりにどのような解を導くのか?もしくは、答えのない問いについてどう向き合うのか?が重要になってきます。トロッコ問題は下記のような自動運転の分野でも扱われる問題にもなりました。

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トロッコ問題と自動運転

近年ではAIや自動運転技術の発展とともに、トロッコ問題が語られるようになりました。なぜこれらの技術とトロッコ問題が結びついたのか説明します。

AIの活用に倫理上の問題が浮上

AI技術の発展により自動運転が現実的になると、自動運転車がトロッコ問題のような状況になった場合について、議論されるようになりました。自動運転車が事故に遭遇しそうな状況に陥ったとき、どのような判断を行なうようにAIをプログラムすべきでしょうか。法学の観点では、被害者への賠償や刑事責任などの問題に対応するため、優先順位をあらかじめ設定すべきであると考えられています。しかし現実の事故ではさまざまな状況が発生することでしょう。車の所有者、同乗者、製造者、AIについて、どう責任分担すれば良いかという課題があります。AIは倫理的に判断できるのか、その結果により人権が侵害されることはないのか、というAI倫理の問題が懸念されるようになりました。例を挙げると、AIが起こした責任の所在がわからない、AIの出す結果に差別や偏見が含まれ人権を侵害する恐れがある、AIの考えのプロセスがブラックボックスである、といった問題です。さらにはAI自体に人権があるのかという議論も交わされていますが、まだ答えは出ていません。

トロッコ問題は答えのない倫理的な問題

トロッコ問題は人の命の数や重みをどう判断するか、という倫理的なジレンマを扱う思考実験です。過去にはテレビ番組 で取り上げられたことでも話題となり、多くの人々がトロッコ問題について考えるきっかけになりました。近年ではAIや自動運転技術の発展とともに、AI倫理を考えるためのテーマとして語られています。トロッコ問題は現実に起こりうるが答えの出ない倫理的な問題を考える題材として、多くの人々に語り継がれてきたのです。

トロッコ問題応用編(こんな時どうする?)

ここからも引き続き”答えのない問い”について考えていきます。状況を少し変えた時に自分の考え方や意見が変わるかどうか?揺れるかどうかを感じながら読んでみてください、

「レバーを引く」と答えた人へ

切り替えた先が自分の最も大切な人だったら?
→切り替える先にいる一人が自分にとって大事な人であっても切り替えるでしょうか?自分がどういった理由で”切り替える”を選択したのかがわかるかもしれません。

進行方向にいる5人が凶悪な雑人犯だったら?
→進行方向にいる5人が凶悪な雑人犯だったらどうでしょう?凶悪だから殺しても良い。という意味ではありません。あくまでも自分の考えがどのように変化するのかを感じてみてください。

「レバーを引かない」と答えた人へ

進行方向にいるのが3人だったら?
→進行方向にいる5人が、3人だったらどうでしょう?もしくは2人だったらどうでしょう?人数によって自分の考えはどう変化しますか?

進行方向にいる5人が権力者だったら?
→大手企業の社長や首相などの権力者の5人だったらそれでもレバーは引きませんか?

トロッコ問題から学べること

ここまでいろんな条件で考えてきましたが、トロッコ問題を考えることによってなにを学ぶことができるのでしょうか?それは、

答えのない問いに挑む重要性

です。答えのない問いは世の中にたくさんあります。そして、そのような問いは就職や進学の際の面接でしばしば問われます。例えば、「全知全能の神は自身が持ち上げられない石を作ることはできるか?」「東京都に電柱は何本あるか?」など、質問された時に咄嗟に答えが導けないような問いだらけです。そのような問いに対して、自分なりに筋が通るような理由をつけて答えるスキルが重要になってきます。また、これからは機械に働いてもらう時代です。機械に働いてもらうためには、機械にあらかじめプログラムを施しておく必要があります。その場合は、これら答えのない問いに対して、答えはないから仕方ないよね〜とは言ってられないかもしれません。人としてどちらがより重要なのか結論づけることによって、より発展的な世界が見られるかもしれません。

おわりに

今回は、トロッコ問題について書きました。

こういうぱっと見シンプル問題だけど実は奥が深いパラドックス問題

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