100から200までの倍数の個数
今回は、集合の要素の個数の問題です。
100から200までの整数の中で、特定の倍数の個数を求めます。
集合には、覚えなければいけない用語や記号が多くあります。似たような記号も多いですが、しっかりと区別しましょう。
倍数の個数の求め方
<◯の倍数の個数>
\(A\) の倍数の数字は、
\(A\times 1\), \(A\times 2\),\(\dots\), \(A\times k\)
と表されるので、\(A\) の倍数の個数は、\(k\) 個となる。
例)\(100\) までで \(3\) の倍数はいくつあるでしょうか?
\(3\times 1\), \(3\times 2\), \(\dots\) \(3\times 66\)
※ \(3\times 67=201\) となり、\(200\) を越えてしまいます。
よって、\(66\) 個
倍数の個数(問題)
\(100\) から \(200\) までの整数のうち、\(5\) または \(8\) の倍数となる整数の個数を求めなさい。
倍数の個数(答案の例)
- \(5\) の倍数となる整数の集合を \(A\)
- \(8\) の倍数となる整数の集合を \(B\)
とする。
① \(n(A)\) を求める
\(5\times 20\), \(5\times 21\), \(\dots\), \(5\times 40\)
よって、\(40-20+1=21\)
したがって、\(n(A)=21\)
② \(n(B)\) を求める
\(8\times 13\), \(8\times 14\), \(\dots\), \(8\times 25\)
よって、\(25-13+1=13\)
したがって、\(n(B)=13\)
③ \(n(A\cap B)\) を求める
\(5\) の倍数かつ \(8\) の倍数は、\(40\) の倍数なので、
\(40\times 3\), \(40\times 4\), \(40\times 5\)
よって、\(5-3+1=3\)
したがって、\(n(A\cap B)=3\)
\(n(A\cup B)=21+13-3=31\)
倍数の個数(解説)
求めたいことを記号で表します。
「 \(5\) または \(8\) の倍数となる整数の個数」を言い換えていくと、
「 \(5\) の倍数または \(8\) の倍数となる整数の個数」となります。
ここで、
- \(5\) の倍数となる整数の集合を \(A\)
- \(8\) の倍数となる整数の集合を \(B\)
とする。
「 \(A\cup B\) の個数」は、\(n(A\cup B)\)
と表せる。
ベン図から \(n(A\cup B)\) を求める公式を導く。
\(n(A\cup B)\) を求めるために、\(n(A)\) と \(n(B)\) を単純に足してしまうと、
図 1 の 斜線部分を余計に( \(2\) 回)足してしまう。
なので、\(n(A\cap B)\)(斜線部分)を引かなければならない。
よって、\(n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)\)
それぞれの個数を求める。
① \(n(A)\) を求める
\(5\times 20\), \(5\times 21\), \(\dots\), \(5\times 40\)
よって、\(40-20+1=21\)
したがって、\(n(A)=21\)
② \(n(B)\) を求める
\(8\times 13\), \(8\times 14\), \(\dots\), \(8\times 25\)
よって、\(25-13+1=13\)
したがって、\(n(B)=13\)
③ \(n(A\cap B)\) を求める
\(5\) の倍数かつ \(8\) の倍数は、\(40\) の倍数なので、
\(40\times 3\), \(40\times 4\), \(40\times 5\)
よって、\(5-3+1=3\)
したがって、\(n(A\cap B)=3\)
公式に当てはめる
\(n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)\) より
\(n(A\cup B)=21+13-3=31\)
おわりに
今回は、集合の要素の個数の問題でした。
主に使用する公式はこちらになります。
<◯の倍数の個数>
\(A\) の倍数の数字は、
\(A\times 1\), \(A\times 2\),\(\dots\), \(A\times k\)
と表されるので、\(A\) の倍数の個数は、\(k\) 個となる。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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